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論風一陣 新型コロナ禍への政府認識に異議あり! (Taxi Japan 366号より)

TJ366

新型コロナウイルス禍によるタクシーの営収低下が深刻化する中、政府は4月7日に緊急事態宣言を発出。時を同じく都内のロイヤルリムジングループ(金子健作代表、6社347台)がタクシー事業の一時休止を決断し、約600人の乗務員全員の解雇方針を打ち出して波紋を呼んでいる。

同グループでは、「緊急事態宣言が出され、さらに売り上げが落ち込むことが予想される。乗務員のために、休業手当を支払うより、解雇して雇用保険の失業給付を受けた方がいいと判断した。感染拡大が終息すれば再雇用したい」と説明。これに対して、「突然の解雇は不当」としてグループ会社の1社の労働組合が81人の組合員の従業員としての地位確認を求める仮処分を東京地裁に申し立てた。さらにグループ内の乗務員らは「合理的な理由を欠いており職権乱用で無効」、「解雇は違法。事業者としての適格性を欠いており調査、指導」を関東運輸局や東京運輸支局を通じて国土交通省に求めた。

ここでロイヤルリムジングループの全員解雇の判断に至った経緯を考えてみたい。

まず、外出自粛による深刻なタクシー営収のダウンは乗務員と会社経営に致命的なダメージを与える。雇用調整助成金で休業補償している間に短期で新型コロナウイルス禍が収束し、営収が回復するなら別だが、現下の情勢が数カ月も継続していく可能性があることを想定すれば、乗務員にとって休業補償より有利だと考えられる失業手当を受給してもらう。そしてタクシー事業は、関東運輸局が通達した「新型コロナウイルスによる急激な需要低下に伴う休車の特例措置について」に基づいて車両の一時抹消登録による臨時休車制度を活用するなどして、新型コロナウイルス禍の収束状況をみながら再開の判断をする。その際に解雇した乗務員を再雇用する。

ここで問題なのは、休業補償より有利な失業保険を受給するためには、再雇用を前提とする場合は受給資格が得られないことである。しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災の際には、政府が「雇用保険の特例措置」を実施して、災害により事業を休廃止したために一時的に離職を余儀なくされた場合に、事業再開後の再雇用が予定されていても失業給付を受給できるという仕組みがあった。

赤羽一嘉国土交通大臣は、記者会見などで「変な首切りが起こったりせず、業務継続の取り組みが適切になされるよう強力に後押ししていく」と語っている。であれば、赤羽大臣には休業補償に対する不十分な点や不満の声に耳を傾けるとともに、東日本大震災時に実施した雇用保険の特例措置を実施するよう政府の一員として尽力してもらいたい。 (高橋 正信)

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次回Taxi Japan 367号 をお楽しみに!

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