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論風一陣 上から目線の無責任なGOはSTOP!(Taxi Japan 469号より)

「GOタクシー、広告継続の条件に『ライドシェア記事を削除』」

これは、自動運転やライドシェアなどモビリティ業界の情報をインターネット上で発信するウェブメディア「自動運転LAB」が、タクシー配車アプリのGO(中島宏社長、東京都港区)によって、「タクシーアプリ日本最大手の『GO』の広告を掲載している一部ウェブメディアが、ライドシェア関連の記事を掲載している場合、広告掲載の提携を強制解除することを一方的に通知されていた」と報じた見出しである。 GOが広告を掲載している

インターネット・ウェブメディアに対する通知文では、「ライドシェアのコンテンツがあるサイトでの掲載はNG」とし、修正・削除がなされない場合、提携解除を通告し、広告出稿を取り止める、などとしている。

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これに、ライドシェア全面解禁推進派の急先鋒でIT大手LINEヤフーの川邉健太郎会長は、Xでの投稿で、Yahoo!ニュースの責任者だった経験も踏まえて「広告出稿を盾に記事の内容にプレッシャーを掛けることはあってはならない」とした上で、「客観的な構図で言うと『広告費の圧力で人々の移動の選択肢を封じている』ということですから、再発防止策をしっかりとお願いしたい」などとコメント。今回のGOの行為が、川邉氏に「人々の移動の選択肢を封じている」と指摘させたことは、タクシー業界にとっても「敵に塩を送った」ことになる。さらにインターネット上では、「ライドシェアというギグワークは貧困者をさらに貧しくする地獄の制度なので法律で禁止すべきだが、メデイアに対する私企業の抑圧も許してはならない」などとする批判も拡散した。

これに対してGOは11月20日付けで、「当社に関する一部報道について」として一連の経緯についてコメント。

コメントでは、同社の広告代理店に対して広告掲載基準の変更は通知していない、としながらも、「ライドシェアに関する賛否が分かれる中で、広告主である当社の意図とそれを受け止めた代理店の認識との間に齟齬が発生した」ことがウェブメディアへの通知文送付の主因と弁明した。

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しかし、広告主の意図を代理店が正確に受け止めずに、しかも広告掲載基準を無視して、「掲載NG」や「提携解除」を一方的に通知できるものではないのは、常識的にいって明白だ。コメントの最後に、「代理店との認識統一のあり方や運用の見直とともに再発防止に務め、適切な広告掲載の運用に取り組む」としているが、代理店との意思疎通が問題なのかは、理解に苦しむところだ。

自民党の裏金疑惑事件では、その責任は会計責任者のみで、議員まで及ばない不正を多くが今も忘れてはいないだろう。同様とはいえないが、会計責任者ならぬ広告代理店が、議員ならぬ広告主GOの意図くみ取らずに、勝手に広告掲載取りやめの通知文書を送付したというのである。そのような不誠実で上から目線の無責任な釈明コメントを出すGOには、むしろ企業統治の資質が問われるのではないか。このようなコンプライアンス欠如の姿勢では、厳格な基準がある証券市場への上場など覚束ないことだろう。

(高橋 正信)


次回Taxi Japan 470号 をお楽しみに!

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