全国ハイヤー・タクシー連合会(川鍋一朗会長)は10月30日、名古屋市内の「ANAクラウンプラザホテル・グランコート名古屋」で第62回全国ハイヤー・タクシー事業者大会を開催した。

そもそも論としてタクシー事業は、道路運送法に一般乗用旅客自動車運送事業として「人が人を運ぶ運送事業」と規定している。反面、自動運転タクシーとは、タクシーの名前を付けているが、旅客を運送する事業に当たらないのではないか。自動運転タクシーの車両を所有するものが、これを利用したいとする者に自動運転車両を時間貸しする、シェアリングエコノミーの自動車版ということでいえば、いわばレンタカー事業ということになるのかもしれない。
一方で、国土交通省や警察庁では、無人自動運転移動サービスの実現に向けた制度整備を図ることを目的に、自動運転車両の遠隔監視を行うための運行管理センターなどの設置と特定自動運行主任者の配置など、①特定自動運行の許可②自動運転車両を運行する特定自動運行実施者の遵守事項③自動運転システムで対応できない場合の措置④行政処分等Iなどの検討を進めて来ている。これに日産自動車などの大手自動車メーカーやKDDIなどの大手通信キャリアが呼応する動きを既にみせている状況だ。
そうした中で、川鍋会長は、国土交通省の裁量で自動運転タクシーの運行主体をタクシー事業者のみが担えるとの希望的観測をしているのかもしれない。
道路運送法上の一般乗用旅客自動車運送事業は消滅しないにしても、いつの日か、人の移動における主役が自動運転車両に奪われ、タクシー事業が脇役に追いやられかねない。そのような危機感をもって、タクシー業界として自動運転タクシーのあり方に対する調査・研究に着手し、運営主体の資格要件の検討状況を探索し、タクシー事業者がその主役になれるのかを真摯に検証しなければ、自動運転タクシーを「我々がやる」というだけでは、後顧の憂いを招きかねないのではないか。
(高橋 正信)
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