厚生労働省は3月24日、2025年賃金構造基本統計(賃金センサス)の調査結果を公表した。フルタイムで働く一般労働者の平均給与は34万0600円(対前年比3.1%増)で、1976年の調査開始以降で過去最高額になったとしている。
男女別では、男性が37万3400円で女性が28万5900 円と、男性を100とすると女性は76.6で、依然として男女格差が存在するのだが、それでもその格差が調査開始以降で最も縮小しているとしている。同時に注目したいのが、地域間格差である。全国平均34万0600円に対して、上回っているのは、トップの東京が41万8300円、次いで神奈川の36万8600円、大阪34万8900円、愛知34万1600円と続く1都3県のみで、実に残る43道府県が全国平均を下回っているのであった。そして2位の神奈川をも5万円近く引き離している東京ダントツの一人勝ちには、目を見張るものがある。
そうした中で、青森の26万3900円が最下位で、次いで宮崎の26万8300円、山形27万22 0 0 円、岩手27万5000円、秋田27万5800 円、沖縄27万7 4 0 0 円、鳥取27万8700円、佐賀27万9700円がワースト8県となっている。男女格差のポイントから単純計算で試算すると、最下位の青森では、26万8300円の76.6%で20万5517円となり、フルタイムで働く女性の賃金が、限りなく最低賃金(青森県は1時間1029円)に近い低水準という状況が浮かび上がる。
翻ってこの調査結果とタクシー業界の実態を照らし合わせると、大いに考えさせられる。例えば、一般労働者トップの東京が41万8300円で、東京のタクシー乗務員は、2025年の実働日車営収の平均が約6万3000円として隔日12勤務、賃率60%で単純計算すると月例賃金が45万3600円となり、一般労働者平均を上回っていることになる。さらに東京都特別区・武三地区では、改定率10.14%で4月20日からタクシー運賃改定が実施され、さらなる賃金上昇効果が期待されている。これまで他産業の中でも低位の賃金とみなされてきたタクシー乗務員の賃金水準も、東京に限っては一般労働者を上回る実態となって来ている。
とはいえ、それは東京のみの状況で、地方都市における経済状況の低迷は顕著である。地方創生という言葉がもてはやされて久しいが、東京の一人勝ちと、人口減少及び経済衰退にさらされている地方都市との二極化による格差拡大は、タクシー業界も同様である。東京への一極集中が高進していくということは、地方都市が若者の流出による人口減少と高齢化の同時進行という猛威にさらにさらされていくシグナルに他ならない。それを、ただ逡巡して傍観していることは許されない次第と心したいものだ。
(高橋 正信)
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