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論風一陣 30年間失われなかったタク運賃指標!(Taxi Japan 501号より)

東京都特別区・武三地区のタクシー運賃改定は4月20日、改定率10.14%、普通車上限で初乗り1キロ500円・加算232メートル100円で実施される。タクシー運賃も1キロ500円(かつての2キロ換算だと1000円)の時代になったのだな、との感慨に浸り運賃の推移に思いを致した。

従来の2キロ単位の初乗り運賃は、2017年1月に、2キロ710円(加算280メートル90円)から1.052キロ410円(237メートル80円)となり、初乗り距離が2キロから1キロに短縮された。そこで2キロ500円の水準はいつだったかをチェックしてみた。それは、2キロ470円が520円となっ1990年5月であった。いまから36年前である。初乗り運賃の推移だけで論じるのは片手落ちであることは承知の上で、その推移と消費者物価指数(CPI)との関係を1990年〜2025年の35年間で比較してみた。

この間に倍増した、物価としてのタクシー運賃の指数は、年平均2.85の上昇となる。消費者物価指数は、35年間の年間指数を積算したところ30.01であった。年平均0.79。さらに消費者物価指数がマイナスの年が、1990年代の10年間で3年、2000年代で5年、2010年代で3年、2020年で1年、などと35年間で実に12年間がマイナス物価指数である。デフレ経済による「失われた30年」といわれる由縁といえる。その意味でタクシー運賃は、この30年間を失われずに運賃物価指数が上昇してきたことになる。

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そのこと自体は、ご同慶の至りといえるが、一方で、タクシー運賃物価指数が順調に上昇している恩恵は、一部の大都市のみと言え、多くの地方都市では、高額となったタクシー運賃による利用者の逸走が顕著となっている。

例えば、青森のタクシー運賃は、普通車上限で初乗り900メートル700円(加算256メートル100円)で、2キロ換算は1555円。東京の2キロ1000円を大幅に凌駕しているのは、現行の総括原価方式による運賃算定の結果によるものだ。地元住民の日常使用としては、高額商品化している実態だ。まして少子高齢化と人口減少における地方都市の経済的疲弊を考慮すれば、一概にタクシー運賃物価指数が積極的に上昇していることを手放しで喜べないのではないだろうか。

地方タクシーの生き残り策として、運賃改定頼みでなく、まずもって初めに規制ありきの不要な各種事業規制を排除し、杓子定規な労働時間規制を改善するなど、かかる経営コスト圧迫要因をすべからく除去することが一丁目一番地ではないか。タクシー運賃と消費者物価指数の推移を比較チェックする中で、強くそう感じた次第である。

(高橋 正信)


次回Taxi Japan 502号 をお楽しみに!

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