今年は「戦後80年」で「昭和100年」の大きな節目の年で、世界的にも我が国においても様々なニュースに溢れた1年だった。翻ってタクシー業界のこの1年を振り返ると、昨年来からのライドシェア全面解禁の大きなうねりが石破政権を経た高市新政権の誕生で沈静化したことが大きなトピックスとして挙げられる。
ご同慶の至りと言いたいところだが、我が国の少子高齢化と人口減少の波が、一極集中の進む東京圏を除いた全国の市町村をひたひたと襲う中で、様々な形で地域住民の足確保のためのライドシェアを一つのアイテムとして採用していかなければならなくなる日はそう遠くないのではないか。既に一部地域では、日本版ライドシェアや公共ライドシェアを官・民で採用し始めていることからも伺える。ライドシェア解禁騒動が収まっているいまこそ、単に解禁絶対反対を唱えるだけでなく、改めてライドシェアが本質的に持つ利点と問題点を、既得権益にとらわれない客観的な整理をしておくことが肝要に思える。
ライドシェアの音沙汰が遠ざかったと思ったら次は、自動運転タクシーが走る近未来像が現実性を帯びてきている。既にアメリカや中国の一部都市では、自動運転タクシーが大きなトラブルもなく通常の営業運行を行っているのだが、我が国でも社会実装に向けた実証実験の段階に入っている。自動運転社会の成立は、現在のタクシー業界の存否を左右するという意味においてライドシェアの脅威の比にならない、と筆者は考える。その理由は、次の通りである。
そもそもタクシー事業は、道路運送法に定められた一般乗用旅客自動車運送事業である。人が人を運ぶことを想定した旅客運送事業だ。一方、自動運転タクシーは、タクシーの名称が付いているが、その実態は、無人の自動運転車両を利用者に時間貸しする事業といえる。いわば、シェアリングエコノミーの一環としてのカーレンタル事業である。旅客運送事業とレンタカー事業は、大いに似て非なるものといえる。
公共輸送機関が脆弱な地域に出向くとき、多くが移動の足としてレンタカーを利用する。そのレンタカーが自動運転車両だった場合、これは旅客運送事業とは無縁ということになる。
全タク連の川鍋一朗会長は、「自動運転タクシーは、タクシー事業者が運営主体になる」などと発言しているが、その担保や保証は存在しない。というより、イメージを膨らませてもらいたい。全国展開している大手レンタカー事業者が一斉に自動運転車両をレンタルする日が来た時のことを。タクシー事業者が運営主体の自動運転タクシーは、その存在意義を見出せなくなりかねない。その時、タクシーがタクシーでなくなるのか。誕生から100年を超えたタクシー事業の大きな過渡期を迎えているように思えてならない。
(高橋 正信)
次回Taxi Japan 495号 をお楽しみに!

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