論風一陣 AIの進化とモビリティ新時代に思う!(Taxi Japan 495号より)

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新年明けましておめでとうございます。

新年に当たって、日本社会とタクシー事業の来し方を振り返り、行く末に思いを馳せてみたい。

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目覚ましいのは、このところのAI技術の進化である。既にChatGPT(OpenAI社が開発した対話型AIチャットサービス)を始めとする多くの生成AIサービスがインターネット上で公開され、基本機能であれば自由に無料で、文章作成、要約、翻訳、プログラミングコードの生成などの多岐にわたるタスクに対応して利用できる。すでに筆者の周りの複数の知人らが文書作成や写真の画像生成で思いつくままに利用し、喜々としてはしゃいでいる姿を見てきている。本紙で好評のコラム「団塊耕志録」を執筆いただいている清野吉光氏も、昨年7月31日付の第485号で表題「グーグルAI・Geminiが書く『団塊耕志録』」(第175回)において、これまでのコラムや資料を生成AIに読み込ませて、テーマを与え文章を作成させて掲載したのである。約2000字程度の文章作成が「わずか数秒であり、複雑な気持であった」と、執筆者の清野氏が驚きを隠せないまま記述していた。

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AIの進化によってこれまで社会の中で確固とした役割を果たしてきた職業が取って替わられて、多くの失業者が発生する、と巷間言われている。「まさか!」と思うのだが、例えば情報収集、分析、整理などは、既に人知を超えているのである。行政書士や社会保険労務士、税理士、弁護士などなどの士業は、遠くない将来にAIに取って替わられてしまう日が本当に来るのか。産業界のみならず、日常生活全般にも、今まで当然に存在しているものが突然なくなり、そして今まで思いもよらない全く新しいものが誕生する、そんなAI革命の波が押し寄せるのであろう。

一方、タクシー業界では、吹き荒れたライドシェア旋風も政権交代によって鳴りを潜めている。そして機を一にして自動運転タクシーが急浮上。ライドシェアは、人が人を運ぶという意味でタクシー事業と類似した旅客運送事業といえる。そのためにタクシー業界はライドシェアを白タクまがいの行為として猛反対してきた経緯がある。ところが、自動運転タクシーは、自動運転の自動車が人を運ぶのではなく、移動しようとする人が自動運転の自動車をシェア・レンタルするシェアリングエコノミー事業になるのではないか、と筆者は危惧している。その意味では、自動運転タクシーが市民権を得た時に、ライドシェアはともかく旅客運送事業のタクシーそのものの存在が風前の灯火になりかねない。そんな危機感を抱きながら、モビリティ新時代の幕明け元年になるかもしれない今年1年を、緊張感を持ちながら推移を見守っていきたいと思っている。

(高橋 正信)


次回Taxi Japan 496号 をお楽しみに!

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