論風一陣 数字が示す日本交通G一強時代の到来!(Taxi Japan 430号より)

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株式会社交通資料社(二村好彦社長、都内荒川区)がまとめた「令和5年1月東京特別区.武三法人輸送実績」による対象200社のタクシー輸送実績一覧表をみて驚いた。輸送実績一覧表は、タクシー事業者の真の実力を示す認可台数割(実働日車営収×実働率)の営業収入ランク表となっているのだが、200社中上位50社のうち日本交通および直営小会社、業務提携しているフランチャイジーなどの日本交通グループ会社が過半数を超えて28社あった。

一方、日本交通グループと覇を競ってきた東京大手四社の一角である国際自動車(kmグループ)関係は10社。そして中小を代表する東京無線関係6社、チェッカー関係3社。他では、大和自動車交通関係、日の丸自動車関係、その他がそれぞれ1社だった。

この上位50社のランク表順位をみると、既に日本交通グループの一人勝ちの状態になっていることが明らかだった。

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上位50社を実働日車営収でみると、1位が品川タクシーで7万7594円、2位以下はワイエム交通7万5046円、日交美輝7万3906円、大東京自動車7万3826円、日幸7万3777円で、これら上位5社のうちワイエム交通と日交美輝の2社が日本交通グループで、同グループ上位28社の実働日車営収は6万2211円〜7万5046円。同じ1月の東京ハイヤー・タクシー協会まとめの原価対象事業者の実働日車営収5万9182円と比較して大きく上回る高営収を確保。実働率も東タク協まとめの平均が62.9%なのに対して日本交通グループ上位28社は、70.5%〜92.5%で、高稼動・高営収を実現している。

本紙2月10日付428号の本欄で、「予感させる日本交通Gによる一強時代!」の表題で、「日本交通の一強時代がもうそこまで来ている」と論じたが、この輸送実績一覧表をみていると、もう既に日本交通グループ一強時代が到来していることに気付かされる。

チェッカーキャブ所属事業者が、なだれを打つように日本交通のフランチャイジーになる状況は、この日本交通グループ上位28社の高稼働.高営収の輸送実績が裏付けている。他の中小無線協組関係者の間でも、「チェッカーの次は、東京無線や他の関係事業者が日本交通グループに鞍替えするのでは…」との囁きが聞こえてくるほどだ。

日本交通グループ以外の大手、準大手をはじめ、中堅・中小事業者らは、この東京業界における大きな地殻変動をどのように受け止めているのであろうか。そして、これから何らかの対抗措置を取るのか、それとも日本交通グループの傘下となるのか、二者択一の判断を迫られかねない状況と言えまいか。今後の日本交通グループの寡占化戦略の動向には目が離せなくなってきた。

(高橋 正信)


次回Taxi Japan 431号 をお楽しみに!

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