論風一陣 今後とも忖度抜きで問題提起、論評を!(Taxi Japan 471号より)

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本紙Taxi Japanは、今号をもって年内発行が最終となる。この1年を恒例となった本欄「論風一陣」で振り返り総括する。

今年最初の1月10日付「とんでもない初夢の顛末は、願い下げ!」の見出し記事では、「日本版ライドシェアへの対応において、(略)拙速なスピード感まで株式上場を計画するGOのタイミングに合わせている」と論じた。実際は、少数与党となった石破茂政権が誕生するまでは、ライドシェア全面解禁の嵐の中での日本版ライドシェアのスタートだった。が、年も押し詰まって11月30日付で、「上から目線の無責任なGOはSTOP!」、12月10日付では、「コンプラ欠如と企業統治の欠陥認める!」の見出し記事で、”とんでもない顛末“のGOの起業体質に疑問を投げかけた。

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その原因は、GOの代表取締役会長の川鍋一朗氏が、全国ハイヤー・タクシー連合会会長職の要職を務めていることでの、タクシー配車アプリとその顧客対象の業界団体トップという利益相反の立ち位置の構図による。本欄では、3月10日付で「危急存亡の時にリーダー不在のカオス!」の見出し記事で、川鍋氏が配車アプリでの寡占化を重視してタクシー業界全体の利益を軽視していることを批判し、続けて3月25日付では、「全タク連の資格要件有や無しや!」の見出し記事で、利益相反となるGOの代表取締役になるために日本交通の代表取締役を退任してヒラの取締役になっている川鍋氏の、全タク連会長としての有資格に疑問を呈した。さらに、10月30日付では「船長不在のタクシー日本丸の暗夜行路!」との見出し記事で、「タクシー業界全体の利益を図るスタンスと発想、および行動力を兼ね備えたニューリーダーの出現」を求めて課題を提起した。

日本版ライドシェアの出現に関連し、4月25日付では「日本版RSスタート=タクセン廃止論!」を掲載し、すでに”神風タクシー“が死語になっている現状や、日本版ライドシェアの運転者にはタクシーセンターで行っている乗務員の研修や登録業務が不要で、一種免許でタクシー類似の営業ができるということを考えると、すでに高い負担金をタクシー業界に支出させているタクシーセンターは不要である。この機に改めてその役目を終えているタクセンの廃止を主張したものであった。

本紙本欄では、今年1年間で21本の論評記事を掲載してきた。辞書によると、新聞とは「社会の出来事の報道や論評を、広い読者を対象に伝達するための定期刊行物」とある。客観的出来事の報道も重要だが、論評(ある物事の内容・結果などを論じ、批評すること)も大切な役割と自認しているところである。とんでもない顛末には、今後とも、「とんでもない」と主張し、忖度抜きに自らの信じるところに依拠して論じていこうと、今年最終号に際して気持ちを新たにしているところである。

(高橋 正信)


次回Taxi Japan 472号 をお楽しみに!

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