厚生労働省は2月26日、人口動態統計速報(2025年12月分)を公表した。
それによると、2025年1月〜12月の速報累計は、出生数が70万5809人で対前1万5179人減(対前年2.1%減)と、10年連続の減少で過去最少となった。将来推計より17年早いペースの少子化が進んでいるとしている。さらに死亡数は160万5654人で、死亡者数から出生数を差し引いた自然減少は89万9845人と、18年連続での総人口の減少で、年々拍車が掛かっている状況だ。
総人口は2008年をピークとして2025年には1億2380万人にまで減少しており、厚労省の将来推計によると、2070年には、9000万人を下回るとしている。現在から3割近く総人口が減少し、2040年には65歳以上が全人口の約35 %になり、大幅な人口減少と過去最高の高齢化のダブルパンチで社会経済の地盤沈下や大変動が懸念されるところである。
翻ってタクシー事業の将来推計はどうか。現在と近未来、そして2070年を俯瞰してみる。現在のタクシー総台数は、法人、個人合わせて約20万台。とはいえ、実働率は、東京や一部の都市部で70%台を保っているものの、多くの地方では、50%〜60%に低迷、中には50%を割り込む地域も出始めていて、廃業に追い込まれるタクシー事業者が散見されるようになっている。少子高齢化と人口減少のダメージは、東京への一極集中などとも相まって、地方のタクシー需要をジワジワと浸食しているようで、このまま放置すれば地方のタクシー事業の衰退がさらに進んでいくことは避けられないものとみられる。
44年先の2070年は、果たして人が人を運ぶタクシーがどれだけ存在しているのであろうか。自動運転技術の進化によってロボタクシーが移動の足を一定担うことはあり得るし、第一種運転免許で白ナンバー車を使用する公共ライドシェアの解釈を拡大することで、コミュニテイー内にある自家用の自動運転車を利活用する形で、移動しようとする者と自家用保有者との間での有償カーシェアという新たな”戦略的互恵関係“が出現するかもしれない。
少子高齢化による人口減少がこのまま進んで、総人口が9000万人を割り込む日本社会は、もしかして地方においてはそこかしこに限界集落がはびこり、過疎地は原野に戻っていて、東京など一部の大都市だけが辛くも社会インフラを維持して、従来通りの姿を残しているかもしれない。ちなみに終戦直後の1945年における日本の総人口は約7200万人だ。そこからの人口増加が、日本の高度経済成長を支えた、とみることもできる1953年生まれの筆者であっても、14年先の2040年も44年先の2070年も、老い先短く「どうでもいい!」とは、いかない。この先の日本の少子高齢化・人口減少による社会経済の衰退、構造変化の深刻な事態に思いを致すとき、国を挙げて英知を結集してこの難題を克服していく努力が不可欠であると痛感させられる。次代を担う人々が、安心、安全で移動の自由が担保された生活が送れるように願ってやまない。
(高橋 正信)
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