論風一陣 タク配車アプリ協会(仮称)を設置せよ!(Taxi Japan 499号より)

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タクシー配車アプリ最大手のGO(中島宏社長、東京都港区、資本金1億円)による東京証券取引所への株式上場がいよいよカウントダウンとなっている。

GOは、2020年4月にDeNAの「MOV」と日本交通系の「Japan Taxi」が事業統合して誕生しており、トヨタやNTTドコモ、外資のゴールドマン・サックスなどからトータルで500億円前後の資金を調達しており、その豊富な資金力を背景に、全国47都道府県を網羅するネトワークを構築してきた。そして、調達資金を潤沢に使用して、テレビCMや都心部の外壁看板、さらにはタクシー側面を活用したシール貼付などによる広告宣伝を積極的に展開し、ライバルとなるUberなどを大幅に上回る配車回数で国内トップを誇っている。

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配車アプリが勃興して来たのは2011年前後からで、2020年の事業統合を受けた当時からGOによる積極的な寡占化戦略が展開されてきた。それまでタクシー無線での配車が主流であったが、スマホによるアプリ配車によって、タクシー手配の役割が取って代わられることになった。その結果、一昨年の10月には、タクシー業界においてタクシー無線団体を束ねて来た全国自動車無線連合会(全自無連)が、その活動に幕を下ろして解散している。

本紙では、GOの代表取締役会長を務める川鍋一朗氏が、全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)の会長に就任していることもあって、見出し「アプリ問題へ拱手傍観の全タク連に喝!」(25年8月31日付)を掲載している。また、昨年4月に公正取引委員会が「タクシー等配車アプリに関する実態調査報告書」を公表して、優越的な配車アプリの運用に対する指針を提言したことを受けて、見出し「取りたい放題の配車アプリ利用手数料!」(25年11月30日付)と論評し、同指針でGOを名指ししなかったことから、その後にGOが指針に沿った対応をした形跡はない。

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今年の2月10日付では、見出し「GO上場はモビリティ新時代の分水嶺か!」を掲載して、人の移動の新しいステージが浮上すると近未来を提示した。新時代を迎える前に、配車アプリの在り方について、その手数料や手配料の徴収の在り方や、その負担を事業者、利用者にも求める場合の、道路運送法スキームとの整合性などについて、配車アプリ事業者間、およびタクシー業界との間での意思疎通が求められる。まして公取委提示の指針で、独占・寡占による優越的地位を背景としたタクシー事業者の経営上の不安や利用者への不利益への懸念に対して、どう取り組むのか、配車アプリ事業者がまとまって、共通の対応すべき課題に向きあう必要があるように思える。すみやかにタクシー配車アプリ協会(仮称)を設置すべきである。

(高橋 正信)


次回Taxi Japan 500号 をお楽しみに!

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