地域的・時間的なタクシー不足の補完を理由とした道路運送法78条3号による自家用車活用事業(=日本版ライシェア、日本型ライドシェア)が4月8日に東京都特別区・武三交通圏と京都府京都市域交通圏でスタートした。次い神奈川県京浜交通圏(横浜市・川崎市・横須賀市・三浦市)が4月12日から、名古屋交通圏でも4月26日から開始となる。
タクシー事業に一種免許運転者と自家用車を取り込んだことでの様々な影響に加え、配車アプリプラットフォーマのタクシー事業経営に対する影響力と市場支配力の増々の拡大などを、これからタクシー業界と多くのタクシー事業経営者、現場で働くタクシー乗務員が実感していくことになるだろう。
そうした中、道運法78条2号による自家用有償旅客運送のうち、交通空白地ではない地方都市や観光地におけるタクシー不足を補うための、自治体主導の新たな取組のモデルケースとして注目を集めるのが、神奈川県三浦市にける、いわゆる「自治体ライドシェア」である、神奈川版ライドシェア・愛称「かなライド@みうら」だといえる。4月17日には、神奈川県の黒岩祐治知事、三浦市の吉田英男市長、地元選出の小泉進次郎・衆院議員らが出席して三浦市内で出発式を開催、関心の高さから多くの報道陣も駆け付けた。
三浦市内で、午後7時以降にGOアプリを立ち上げると、「ライドシェアドライバー稼働中」の表示とともに、アイコンにも「タクシー・ライドシェアを呼ぶ」と表示される。これは、同じ京浜交通圏の横浜市内などで運行されいるGOを使った自家用車活用事業(=日本型ライドシェア)とまったく同じで、利用者は「自家用車活用事業=日本型ライドシェア」と「交通空白地有償運送=自治体ライドシェア」の違いを意識することなく、同一交通圏内で同ように利用することになる。事前確定型でキャッシュレス決済となる利用料金も、タクシーに設定されている迎車料金や深夜割増なども含めたタクシー運賃の場合と同額で、アプリ会社独自の配車手配料なども同じだ。
「かなライド@みうら」の自家用車ドライバーは、三浦市からの業務委託で、ほぼ同じ運行形態と働き方である自家用車活用事業のドライバーに対する『雇用か業務委託か』の論議の行方にも影響を与えることになりそうだ。
タク事業に一種免許と自家用車
タクシー事業に一種免許運転者と自家用車を取り入れる、道路運送法78条3号による自家用有償旅客運送の一形態である自家用車活用事業(=日本版ライドシェア、日本型ライドシェア)が、配車アプリのマッチングデータ等からタクシー不足が顕在化していると推定される地域や時間帯に限定した形で制度化され、その第一陣として指定地域となった4営業区域のうち、東京都特別区・武三交通圏と京都府京都市域交通圏が口火を切って4月8日からスタート、次いで神奈川県京浜交通圏(横浜市・川崎市・横須賀市・三浦市)が4月12日から、名古屋交通圏でも4月26日から開始となる。
タクシー事業者が実施主体となって一種免許運転者と自家用車(事業用ナンバーの遊休タクシー車両も含む)を運行管理する自家用車活用事業では、事実上、配車アプリでの運用が前提となっており、配車(迎車)利用限定・事前確定運賃・キャッシュレス決済が要件となっている。
タクシー配車アプリを運用する大手プラットフォーマーのGOやUberが先行して自家用車活用事業に対応すると共に、運転者募集も積極的に展開しており、GOではGOジョブ事業で大々的にテレビCMを放映するなどして「ライドシェアドライバー大募集」などとアピールしている状況だ。
国交省が78条2号の制度改革
一方で、従来からある道路運送法78条2号による自治体やNPOなどが実施主体となる自家用有償旅客運送(交通空白地有償運送)の分野でも、国土交通省による制度改革が並行して進められており、新たに①自家用有償旅客運送の導入を巡ってバス・タクシー事業関係者が反発することで論議が暗礁に乗り上げたり、調整に時間が掛かったりすることに自治体側の不満が大きいとされる、地域公共交通会議における運営手法の見直しを行い、自家用有償旅客運送を導入するにあたって、地域公共交通会議で2 カ月程度協議してもなお結論に至らない場合には、協議内容を踏まえ首長の責任により判断できることを明記、②タクシーと自家用有償旅客運送の共同運営の仕組みを構築し、タクシーサービスの補完として自家用有償旅客運送を活用するため、実施主体となる市町村・NPO等とタクシー事業者が共同した一体的なサービスの提供が可能であること、その際、利用者が支払う額はタクシー運賃と同額とした上で、うち約8割(実費相当額)は市町村・NPO等が収受し、約2割は地域公共交通の確保改善に活用することを明記、③自家用有償旅客運送における運送区域の設定の柔軟化を行い、運送区域外へ行く運送も運送区域外から戻る運送も可能であることのほか、隣接する複数市町村が自家用有償旅客運送を共同化すべき場合もあり、地方運輸局や都道府県が当該共同化を促すことを明記、④自家用有償旅客運送においても、一定期間における対価の総額が実費の範囲内であることを条件にダイナミックプライシング(上下5割幅以内での変動)を導入することを明記Iなどの方針を打ち出し、既にパブリックコメントも終了、パブリックコメントで寄せられた意見も一部に反映させて4月中に通達改正などを行う。
78条2号と3号の境界曖昧に
タクシーと自家用有償旅客運送の共同運営の仕組みの構築とタクシー運賃との同額化、区域外輸送も認める自家用有償旅客運送における運送区域の設定の柔軟化など、自治体やNPOなどが実施主体となる道運法78条2号による自家用有償旅客運送(交通空白地有償運送)の制度改革では、「交通空白地」という名称が事実上空洞化して、地方都市や観光地におけるタクシー不足を補完するという役割も加わり、実質的に、交通空白地有償運送と自家用車活用事業の境目も、実施主体を除くと、ほぼ同等の運用で導入されるケースも想定されることになる。
自家用車活用事業でも、「簡便な方法」の一つとして、「営業区域内の自治体が、特定の曜日及び時間帯における不足車両数を運輸支局へ申し出た場合は、その内容を不足車両数とみなす」との制度が導入されることから、交通空白地有償運送(78 条2号)と自家用車活用事業(78条3号)の区分は、ますます曖昧になりそうで、自家用車活用の採算性に基づく実施負担を巡って、経営的なメリットがある場合はタクシー事業者が実施主体(78条3号=自家用車葛生事業)となり、そうでない場合は自治体やNPO(78条2号=交通空白地有償運送)が実施主体となればスムーズな棲み分けとなるが、現実には、財政的負担を嫌う自治体とタクシー事業者との間における押し付け合いなどの摩擦発生も懸念されるところだ。
交通空白地ではない78条2号
そうした中、道運法78条2号による自家用有償旅客運送のうち、交通空白地ではない地方都市や観光地におけるタクシー不足を補うための、自治体主導の新たな取組のモデルケースとして注目を集めるのが、いわゆる「自治体ライドシェア」である、神奈川版ライドシェア・愛称「かなライド@みうら」だといえる。
神奈川県三浦市は、三浦半島の先端部にあり、人口は3万9819人(4月1日現在)で横須賀市に隣接している。市内には、東京・品川や横浜と結ぶ関東大手私鉄・京浜急行(京急)の終点駅となる三崎口駅などもあり、駅と市内各所を結ぶ京浜急行バス(京急バス)も一定の頻度で運行されており、日中においては交通空白とは言えない状況にある。
タクシーも、横浜市・川崎市・横須賀市とともに京浜交通圏を構成、市内には、いづみタクシー(17台)と京急三崎タクシー(18台)の法人タクシー2社と個人タクシーが営業している。
三浦市(人口3万9819人)は、横浜市などとともにタクシーでは京浜交通圏を構成しているものの、人口規模では政令指定都市である横浜市の376万7635人、同じく川崎市の154万8254人、隣接する横須賀市の37万1930人(いずれも4月1日現在)と比較して小規模で、人口減少(1994年1月の5万4350人から約27%減)も深刻な、典型的な地方都市ともいえる。
一方で、三浦市には、地域的に大きな課題があり、三崎マグロのブランドで有名な三崎漁港を中心に発展して飲食店や観光施設が集積する中心市街地と、終点駅の三崎口駅の間に約6キロの距離があることだ。日中は京急バスの運行があるものの、夜間の公共交通はタクシーが頼りとなって来た。
そうした中で、コロナ過を経て、三浦市内における夜間需要の減少や効率的な営業体制確保の観点などから、いづみタクシーが昨年の夏に運行時間を深夜1時までから午後7時までに短縮、朝〜夕方の営業に注力することになった。このことが今回、三浦市が実施主体となる神奈川版ライドシェア「かなライド@みうら」が導入されるきっかけとなった。
「かなライド@みうら」の概要
三浦市を実施主体とする道運法78条2号による自家用有償旅客運送である、神奈川版ライドシェア「かなライド@みうら」は、実証実験として実施されるもので、その概要は、①実施主体を三浦市とし、地域・時間帯を限定して実証実験を実施、②市内にあるタクシー事業者2社(いづみタクシー、京急三崎タクシー)に運行管理と整備管理等を委託して安全対策を確保、③神奈川県は、実証実験の広報活動および効果検証を実施Iなどとしている。三浦市では、実証実験終了後における78条3号(=自家用車活用事業)への移行を想定している。
実証実験としての実施期間は4月17日〜12月16日までの8カ月間で、運行時間帯は午後7時〜翌深夜1時まで、乗車地は三浦市内に限定するが市外輸送も可能、観光客も利用可能で利用者制限はなし、配車アプリGOによる運用で料金はタクシーと同額・事前確定運賃・キャッシュレス決済、ドライバーは三浦市内の在住者か在勤者、使用車両はドライバーの自家用車。ドライバーは業務委託で、報酬は歩合給で売上の半分程度。1日5台程度の運行を予定している。
タクシー事業者に委託する安全対策としては、交通空白地自家用有償運送運転者講習(大臣認定講習)、運行開始前初回研修、毎月の実施する定期研修。
自家用車の配車・運行管理は、専用アプリGOによる配車管理で、アプリと連動したドライバーの運行開始前・終了後の車内遠隔点呼。
車両に対する整備管理は、自動車点検基準に基づく初回点検および定期点検(6カ月点検)の実施、通信機能を備えたドライブレコーダーおよび車内カメラの設置など。
安全運行のための対応では、運行管理責任者・整備管理責任者の選任、事故・苦情に対する初期対応および報告、毎月の運営会議への出席。
自家用有償旅客運送用の任意保険を適用し、その内容は、対人・対物ともに無制限で、ドライバーが個人で加入している任意保険に優先して補償。
これらの内容は、タクシー事業者による自家用車活用事業(=日本版ライドシェア、日本型ライドシェア)の各協会ガイドラインに匹敵、あるいは上回る内容となっている。実証実験予算として、神奈川県が3000万円、三浦市が500万円を計上している。
78条2号と3号同じ利用内容
三浦市内で、午後7時以降にGOアプリを立ち上げると、「ライドシェアドライバー稼働中」の表示とともに、アイコンにも「タクシー・ライドシェアを呼ぶ」と表示される。これは、同じ京浜交通圏の横浜市内などで運行されているGOを使った自家用車活用事業(=日本型ライドシェア)とまったく同じで、利用者は「自家用車活用事業=日本型ライドシェア」と「交通空白地有償運送=自治体ライドシェア」の違いを意識することなく、同一交通圏内で同じように利用することになる。事前確定型でキャッシュレス決済となる利用料金も、タクシーに設定されている迎車料金や深夜割増なども含めたタクシー運賃の場合と同額で、アプリ会社独自の配車手配料なども同じだ。
また、前方から見た車両の表示も、助手席前方上のサンバイザーの位置に設置された「GOマークとライドシェア・Ride Share」の青色表示灯で同じ。ただ、神奈川版ライドシェア「かなライド@みうら」は道運法78条2号による交通空白地有償運送のため、自家用車の車体横に「『かなライド@みうら』のロゴマークと、三浦市有償運送車両関神交第1号」と表記されたマグネットシートが貼られている。
「かなライド@みうら」の自家用車ドライバーは、三浦市からの業務委託で、ほぼ同じ運行形態と働き方である自家用車活用事業のドライバーに対する『雇用か業務委託か』の論議の行方にも影響を与えることになりそうだ。
「かなライド@みうら」出発式
その神奈川版ライドシェア「かなライド@みうら」の出発式が4月17日、三浦市の三崎地区にある「フィッシャリーナ・ウォーフうらり」内の三浦市民ホールで開かれ、神奈川県の黒岩祐治知事、三浦市の吉田英男市長、「かなライド@みうら」の協力事業者として三浦市から運行・整備管理などの委託を受ける地元タクシー会社、いづみタクシーの八木達也社長のほか、来賓として、神奈川11区(横須賀市・三浦市)選出の小泉進次郎・衆院議員、神奈川県議会の亀井貴嗣副議長、同三浦市選出の石川巧県議、三浦市議会の出口眞琴議長、三浦市地域公共交通会議会長の大沢昌玄・日本大学理工学部教授、三崎料理飲食店組合の石渡道雄組合長らが出席した。
神奈川県の黒岩知事があいさつ
黒岩知事は、「いよいよ神奈川版ライドシェア『かなライド@みうら』がスタートすると考えると、感慨深い思いだ。『ライドシェア』というものが、あったらいいな、と思いながらも、当初は、タクシー業界の皆さんからの反発には強いものがあり、これをやるのは難しいのかな、と思った」としながら、「しかし、こうした問題は、利用者目線で考えるべきだということから、夜になるとタクシーが捕まらないという話があるところで、タクシー業界の皆さんと一緒になって『ライドシェア』というものが創れないか、との発想から始まって、地域と時間を限定して、そこだけは一般ドライバーの方に『ライドシェア』として(有償での)旅客運送に参加してもらう、そうした流れであるならば、タクシー業界の皆さんと一緒にやる形が出来るのではないか、ということで『神奈川版ライドシェア』の案を取りまとめた」とし、「それを発表したところ、さっそく三浦市が手を挙げてくれたことから、三浦市内のタクシー会社や神奈川県タクシー協会の皆さん、さらに県と国土交通省からもメンバーに入って、検討を重ねて来た。様々な課題があったものの、利用者目線で考えた時に、それを何とか乗り越えて行こう、とやって案をまとめた」などと説明。
3つの規制緩和を国に要望
その上で、黒岩知事は、「しかし、それには3つの規制緩和(①タクシー事業者による自家用有償旅客運送を認めること、②交通空白地では無い三浦市においても地域と時間を限定することで自家用有償旅客運送を可能にすること、③自家用有償旅客運送の対価をタクシー運賃と同額程度に出来るようにすること)が必要で、それを取りまとめて国に要望したところ、すぐにOKが出た。そのことで、三浦市や神奈川県内だけでなく、全国で『ライドシェア』が出来るようになった」などと紹介、続けて「我々としては『ライドシェア』第1号として(神奈川版ライドシェアを)スタートさせたかったが、先(4月8日)に東京都内のタクシー会社が『ライドシェア』(道路運送法78条3号による自家用車活用事業「日本型ライドシェア」)をスタートさせたものの、(タクシー事業者に運行・整備管理を委託してタクシー運賃と同額で実施する道運法78条2号による)自治体が主体となる『ラ
イドシェア』としては全国初の取り組みだ。この神奈川県と三浦市が一緒になって切り拓いた『ライドシェアの世界』が、いよいよ今日から本格的に始まることになる。このことによって、帰りの足は『ライドシェア』で確保できているとして飲みに行けるようになれば、街もどんどん活性化して来る、そうした流れを皆さんと一緒に作っていきたい」などと抱負を述べて、「日本初の自治体主体の神奈川版ライドシェア『かなライド@みうら』を、皆さんと一緒に育てて行きたい」と呼び掛けた。
三浦市の吉田市長があいさつ
続いて、三浦市の吉田市長は「神奈川版ライドシェア『かなライド@みうら』の実証実験開始に当たっては、三浦市地域公共交通会議、いづみタクシー、京急三崎タクシー、そして神奈川県庁といった関係者の皆さん方の尽力に御礼の言葉を述べたい。引き続き、関係者の皆さんとこの実証実験を通じて課題を抽出し、きちんとしたものに仕上げられるよう取り組んで行きたい」としながら、「本日は、三崎料理飲食店組合の石渡組合長も出席しているが、(三崎地区で)食事をしても、帰る時間が早くなる、帰りのバスや電車の時間に間に合わない、そういった声を多く聞く。コロナ禍を経て、タクシー事業者の皆さんは(三浦市内における夜間タクシー需要の)マーケットが厳しいと判断されたのだろうが、それに対して地元の飲食業界として何らかの措置を講じないとこのままではいけない、という危機感を持った。そこで、神奈川県から『ライドシェア』の話があった時に、真っ先に手を挙げた。この実証実験がきちんと成功して、(三崎地区という)三浦市の下町での夜を多くの方に楽しんでもらう、それが最終的には三浦市の経済活性化や、地域の評判に繋がると思っている」などと述べた。
小泉・衆院議員が来賓あいさつ
来賓として挨拶した、地元選出の小泉・衆院議員は、「振り返ると、私にとって、この『ライドシェア』という政策を、いま国会においても推し進めるきっかけとなったのは、(翌4月18日に病気のため77歳で死去した、鈴木水産会長で三浦商工会議所会頭の)鈴木金太郎さんから『夜7時以降になると三浦市内にはタクシーが無いので、帰りは飲食店の人に送ってもらっている』などという話を聞いたことで、これでは形を変えた『白タク』になってしまい、このままではマズい、と思ったからだ」としながら、「夜7時以降になるとタクシーが無くなる街では、人は出歩かないので、夜の街は冷え切ってしまう、そのことを放置する訳にはいかない、そうした思いを強く持って、これからの公共交通が、電車もバスもタクシーもライドシェアも、という新しい時代になっていくことは、私は当たり前のことだと思っている」などと指摘。
その上で、小泉・衆院議員は「ただ、日本には『ライドシェア』が無かったので、それを実現するのは容易なことでは無かった。多くの方々の理解、そして『ライドシェア=安全ではない』という誤った認識が拡がっている中で、『海外のライドシェア』をみれば安全担保のための様々な措置が実現しているのに、そういうことを知らないのか、意図的に言わないようにしているのか、不安を煽っている方が一部にいて、そうした方に負けるわけにはいかない、という思いもあった」とし、「黒岩知事からはスピード感を持って神奈川で(『ライドシェア』を)やるという声を上げてもらい、県庁の方々も含めて非常に努力を積み重ねてもらって、そうした中で、やりたくても躊躇せざるを得ない首長も多いところを、三浦市の吉田市長は地域の様々な方の声を気にしながらも(神奈川版ライドシェアに)手を挙げてくれて、今日という日を迎えることが出来た。それは首長としての覚悟とリーダーシップがあったからだ。そして、タクシー業界の中にも様々な声がある中で、(協力事業者として運行・整備管理などを受託する形で)『やる』という覚悟を決めてくれた(いづみタクシー社長の)八木さんの気持ち、さらに、横須賀市のタクシー業界の皆さんに、当初の発着地ともに三浦市内限定から、乗車地は三浦市内だが、降車地が(隣接する)横須賀市内でも良い、という判断をしてもらえたことも、政治・行政・民間の間における対話の積み重ねの結果だ」などと訴えた。
これは、あくまでも第一歩
小泉・衆院議員は、「きょう三浦市で『ライドシェア』が出発したとしても、私はそれでも、まだまだ足りていないと思う。東京でも『ライドシェア』(自家用車活用事業=日本型ライドシェア)が稼働している朝の時間帯に雨が降ると、まったく足りなくなる」と指摘した上で、「これは、あくまでも第一歩であり、この『ライドシェア』という公共交通の一つは、これからがスタートなのだという思いで、『ライドシェア』に乗りながら、より良いものに育てて行けるよう皆さんと一緒に頑張っていきたい。現場の声をフィードバックしてもらいながら、より良い制度となるように国土交通省や神奈川県とも一緒に考えて行きたい」などとする意向を示した。
いづみタクシー八木社長が説明
いづみタクシーの八木社長が、神奈川県の黒岩知事や三浦市の吉田市長らに車内遠隔点呼の様子や配車アプリの使い方などを説明、「かなライド@みうら」の自家用有償車両が出発した。
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