トヨタとホンダが飛沫循環抑制車 新型コロナ感染の軽症者を移送 (Taxi Japan 366号より)

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飛沫循環抑制車

軽症の新型コロナウイルス感染者の隔離滞在先ホテルなどへの移送を巡り、トヨタ自動車や本田技研工業が相次いで、軽症者の移送用車両を開発した。トヨタ自動車の「JAPANタクシー」改造車。ホンダの「オデッセイ」や「ステップワゴン」の改造車ともに、運転席のある前方と軽症感染者の乗車する後方を隔壁により遮断、前方を高圧( 陽圧)、後方を低圧(陰圧)とすることで後方空気が前方に循環することを防ぐ「飛沫循環抑制車両」となる。

東京都では、軽症の宿泊療養者の搬送にそうした「飛沫循環抑制車両」を活用することにしており、その運行を都内タクシー大手の日本交通に委託した。

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JAPANタクシー車両を改造


トヨタ自動車の軽症者移送用車両は「JAPANタクシー」の改造車で、前席と後席の間に透明度の高い隔壁を設置し、前方の運転席側の気圧を高くし(陽圧)、後方座席側の気圧を低くする(陰圧)とすることによって、軽症の感染者が乗る後方の空気が前方に循環しないようにコントロールした「飛沫循環抑制車両」となる。トヨタ自動車東日本東富士研究所が開発・架装した。東京都内の病院に5台が配置されたほか、千葉県にも1台が提供された。

また、ホンダも同様の飛沫循環抑制対策を施した「オデッセイ」と「ステップワゴン」の改造車を開発した。

車内の隔壁

東京都は日本交通に運行委託


東京都は、軽症の宿泊療養者の搬送にそうした「飛沫循環抑制車両」を活用することにしており、その運行を都内タクシー大手の日本交通に委託した。日本交通では、運転者の感染防止のため、患者の乗降時も車両を降りず、患者との接触が一切無い形をとるほか、運転者は東京都が用意した医療用N95などのサージカルマスク、使い捨て手袋を着用する。

東京都が飛沫対策の補助実施


このほか、東京都は4月22日、タクシー・バス事業者向け安全・安心確保緊急支援事業( 新型コロナウイルス感染症緊急対策)を実施すると発表。

都内タクシー事業者向け支援では、法人・個人タクシー事業者に対し、タクシー・ハイヤー車両内における運転席と後部座席を隔離する飛沫感染防止策に対し、経費の5分の4(補助限度額は1台あたり8000円)を補助する。詳細は決まり次第、公益財団法人東京観光財団がホームページなどで公表する。

感染対策タクシーに東京都が補助

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次回Taxi Japan 367号 をお楽しみに!

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